我が国初の原子力第一船「むつ」は、昭和44年6月、皇太子妃殿下の支綱切断によって進水し、昭和49年8月、初臨界を達成しましたが、放射線漏れによりその後の試験の中断を余儀なくされました。
遮蔽改修及び安全性総点検を終えた「むつ」は、関根浜新定係港において原子炉容器蓋開放点検、船体点検など最終的な点検作業を行い、平成2年3月、16年ぶりに臨界を達成し、出力上昇試験や海上試運転を経て平成3年2月14日、原子力船として完成しました。その後、約1年間の実験航海を行い、原子動力実験船としての使命を終えました。「むつ」は原子動力で約82、000kmを走りました。これは地球をほぼ2周したことになります。
なお、「むつ」は原子炉部を解体撤去した後、世界最大級の海洋地球研究船「みらい」に生まれ変わり、地球環境変動の解明などの研究を行っています。